思春期の子どもとほどよい距離を保つために私が大切にしていること

子育て

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親としての立ち位置を見直すことで変わったコミュニケーション

中学生の子どもを持つようになってから、これまでの関わり方では通用しない場面が増えてきました。幼い頃のように素直に話してくれる日もあれば、ちょっとした言葉で不機嫌になってしまうこともあります。親としては「何を考えているんだろう」「どう接すれば良いんだろう」と戸惑うこともしばしばです。しかし、この時期は成長の大切な過程。こちらが構えすぎず、必要以上に踏み込みすぎず、適度な距離感を意識することで、子どもは思った以上に自分で整えながら進んでいけるのだと感じるようになりました。

「全部把握したい」気持ちを一度脇に置く

親として子どもの様子を把握したい気持ちは当然あります。ただ、思春期は「自分の世界」を大切にしたい時期でもあります。以前の私は、学校生活のことや友達関係などを何でも知っておきたいと思い、細かく聞き出そうとしがちでした。けれどある日、「そんなに聞かないで」と言われてからハッとしました。子どもにとっては“監視されているような感覚”になってしまったのだと思います。それ以来、本人が話したい時を待つ姿勢を心がけています。

話したくなる空気をつくっておくこと

聞き出すのではなく、話しやすい環境を整えることで、子どもは自然と心を開いてくれます。我が家では、夕食後に一緒にお茶を飲む時間をつくったり、出かける車の中ではあえて話題を詰め込まないようにしています。沈黙があっても気まずくしない“余白”があると、ふとした瞬間に子どもがポロっと話し始めてくれることが多くなりました。

失敗に対して過度に反応しない

思春期になると、学校や部活動、人間関係などで思い通りにいかないことが増えていきます。つい励まそうとしたり、アドバイスしたくなったりしますが、子どもからすると「また説教される」と感じてしまうことも。そこで私は、まず本人の感情をそのまま受け止めるように意識しています。「そう感じたんだね」「大変だったね」といった言葉だけでも、子どもの表情は驚くほど緩みます。アドバイスは必要だと思ったタイミングだけにし、求められたときに最小限の言葉で伝えるよう心がけています。

親の価値観を押しつけない意識

自分の子どもとはいえ、別の人格です。「こうあるべき」という自分の価値観を当てはめようとすると、反発されるだけでなく、子どもの主体性も育ちにくくなります。例えば、勉強の仕方、人との距離感、部活動のやり方など、親が経験してきた方法が必ずしも子どもに合うとは限りません。私は「自分ならこうするけれど、あなたはどう思う?」という聞き方に変えることで、子ども自身が考え、選ぶ姿勢が少しずつ育っていると感じます。

子どもとの距離をつくる“ちょうど良い”関わり方

思春期の子どもと関わる時に難しいのは、距離を取りすぎても近づきすぎても上手くいかない点です。その中間にある“ちょうど良さ”を見つけるには、親側の観察力と柔軟さが欠かせません。ここでは、私が普段心がけている具体的な距離の取り方を紹介します。

生活リズムの中で「自然な接点」を作る

思春期だからといって、意識的に接点を増やそうとすると逆効果になりがちです。そこで私は、日常の中に自然な会話のきっかけが転がっていることに気づきました。たとえば、朝の「行ってらっしゃい」、帰宅後の「おかえり」の一言でも、声のトーンによって安心を与えられることがあります。無理に長い会話をしようとしなくても、「いつでも話せるよ」という空気が伝わるだけで十分なのです。

家事の時間をあえて“共有空間”にする

料理をしているとき、洗濯物をたたんでいるとき、片づけをしているときなど、親が何か作業していると、子どもは案外ふらっと近くに寄ってきます。特に、食材を切る音や洗濯物の匂いなど、生活の気配がある場は落ち着いて話しやすいようです。私は、キッチンに来てくれた時にあえて何も聞かず、手を動かしながら聞き役に回ることが多くなりました。

プライバシーを尊重する態度を示す

思春期の繊細さは、親が思っている以上です。部屋に入るときはノックをする、持ち物には勝手に触れない、スマホやタブレットを覗かないなど、基本的なルールほど大切にしています。これを徹底すると、子どもも逆に家庭内での安心感を得られ、必要なときには自分から相談してくるようになりました。

親の気持ちも正直に伝える

子どもにばかり感情を我慢させるのではなく、親も「心配だったよ」「そう言われると少し悲しかったな」など、素直な気持ちを簡潔に伝えると、お互いの理解が深まります。ただし、感情的にぶつけるのではなく、落ち着いた調子で伝えることが大切です。これを繰り返すことで、子どもも自分の気持ちを言葉にする練習になっているように感じます。

思春期だからこそ、子どもの“成長を信じる”姿勢が必要

思春期の子どもを見ていると、親からすると危なっかしく見えることもあります。しかし、親が先回りして全て整えてしまうと、子どもは自信を育てる機会を失ってしまいます。「困ったら助けるよ」というスタンスを示しつつ、基本的には自分で判断し、自分で行動することを尊重しています。

完璧を求めず“経過”を見る

テストの点数や成績、部活の成果など、ついつい結果ばかりに目を向けがちです。でも、思春期は迷いながら経験を積む時期。私は、点数よりも「勉強のやり方が少し変わった」「前より気持ちの切り替えが早くなった」など、小さな成長に目を向けるようにしています。これを続けると、子どもも“頑張り方の方向性”を自分で確かめながら進めるようになります。

子どものペースを尊重する勇気

「もっとこうしたほうがいいのに」「早く取りかかればいいのに」と思う場面はたくさんありますが、思春期は自分のペースで動きたい時期でもあります。親の期待と子どものペースがずれることは当たり前。焦らせるよりも、「必要なことがあれば言ってね」とだけ伝えて見守るほうが、最終的にはスムーズに動くことが多いです。

親自身が自分の時間を大切にする

子どもとの距離感を整えるうえで意外と大切なのが、親が自分の生活を満たすことです。趣味を楽しんだり、仕事に向き合ったり、友人と話したりすることで、心に余裕が生まれます。その余裕が、子どもの気持ちを受け止める“幅”になりますし、親が楽しそうにしている姿は、子どもにとっても良い影響を与えてくれます。

親子の関係は変わり続けるからこそ柔軟でいたい

思春期の子どもとの距離感は、毎日同じというわけではありません。近づきたい時もあれば、そっとしておいてほしい日もあります。でもそれは、成長の中で自然に起こる波のようなものです。大切なのは、その波のリズムを感じながら、必要以上に不安にならず、親としての軸を持って関わること。完璧でなくて良いので、柔軟に、優しく、そして長い目で見守っていきたいと日々感じています。

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